mienaimono [ネ暗いズム]
目に見えない物をどこまで信じられるか。
空気も見えない
でも吸ってる。
想いも見えない
でも感じる。
どうしてなんだろうね。
不確かなもんなのに。
あの子の涙は見えなかったんだ。
でもさ
もらい泣きしちゃったよ。
たぶん
オイラの想像以上の絶望と悲しみの中
滲む画面を見ながら震える指でキーを打ってたんだろう。
言葉になんかならない想いを
言葉にして伝えてくれたんだよね。
気の利いたコト
何一つ言ってやれなかったけど・・・
今でもあの日をこうやって思い出してるよ。
だから
今夜はあの子と想いに乾杯だ。
ーーー闇夜と星と白い息
あの子の想いが永遠であるようにーーー
かわいくない私 [ネ暗いズム]
幼少の頃から、姉と二人の記憶ばかり。
自営業をしているので、両親が忙しかった為。
包丁は4歳で持っていたし、小学生に上がった時は、林檎を丸いまま皮剥いてた。
家事全般を、姉と分担してやっていた。
姉は他にも、店の手伝いを自分から進んでしていた。なんてスゴイ人だろう。
もともとがインドア派で、とても内気だった私にゃマネできない。(小学校6年間、通知表に内向的と書かれたくらい)
小5の時の担任は私の人生に光を差してくれた一人。
とても個性を大事にしてくれた。
絵が好きな私に、歴史を漫画で書いたって、宿題と認めてくれた。
気を良くした私は、しばらくその宿題に熱中したもんだ。
親はそれを見ると、激怒した。そして、私を叩き、ノートを破った。
いくら宿題だと言い張っても、耳を傾けてはくれなかった。
その週の、学級新聞で、先生は私の歴史漫画を誉めてくれた。
親はバツの悪そうな顔をしたが、謝ってはくれなかった。
私もどっちでもよかった。だって、もうそんな物を書く気はなくなっていたから。
人の顔色を伺って過ごしていた私も変わってやるんだ、と心に決め中学生に。
違う小学校から来た子〈U子)と仲良くなり、徐々に変わってきた。
でも、3年にいた姉が卒業すると同時に呼び出しも増えた。
そして、2年になると、U子は引越していき、かなり厳しい日々がつづいた。
救いは、U子がそれでも私の所に遊びに来たこと。1人じゃなくて、U子の中学の仲間を連れて。
皆、ホットロード張りだったけど〈笑)
家では、相変わらず家事をこなしながら、でも、親と口をきくこともなくなっていた。
高校は、なぜか、姉と同じところへ。
レベルは高くはないので、そこそこ成績も良かった。
誇らしげにテストを見せる私に親は言った。姉は、クラス委員長なんだぞ、と。
そんなもん、目立ちたがりか、面倒だから押し付けられちゃう奴がやんだよ・・・・。
言ったところで通じないので言葉を飲む。姉を傷つけるのも嫌だったし。
2学期からは、ほとんど学校には行ってない。
異変に気付き始めた母は、学校に行かせるために、お弁当を作ってくれたりしたが、もう手遅れだった。怒られる気も、求める気もない。
家出のサイクルも、2~3日から1ヶ月・3ヶ月とだんだん長くなった。
学年が変わる頃には、学校も辞めた。
アルバイトと夜遊びの生活。
寝ずに、電気もつけず私の部屋で帰りを待つ母に、気持ちが悪いと怒鳴る。
落ちたね、ほんと。最低だわ、私。
でも、その時は、何も受け付ける事ができなかった。
18くらいになって、私は少しずつ落ち着きを取り戻してきた。
あることに気付いたから。
親が変わった。
呆れて放任しているんじゃなく、見守ってくれている感。
なんでしょう、この感じ。
今は私も大人ですから〈笑)
私の来た道は、これでよかったんだ。
苦労はかけたけど・・・、笑って話せる時がきたんだから。
豆腐と涙 [ネ暗いズム]
子供のころの話
自営業の父のささやかな贅沢。
自分の店で売っているにもかかわらず、パープーとラッパを鳴らして売りにくる豆腐屋から、豆腐を買うこと。
バイクの後ろの木箱には、タプタプの水と豆腐。
木箱の下は引き出しになっていて、あげやがんもが入っている。
父に抱っこされ、興味深く見る私に、父は姉と私にも一丁ずつ買ってくれた。
大事に大事にとっておいたお豆腐ちゃん。
こんなに飯時が楽しみなんて・・・。
そして、事件は起きた。
豆腐を皿に乗せ、慎重に運ぶ・・・・・・・・・
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この世の終わりだ。
そう、私は豆腐を落としてしまった。
豆腐と共に崩れ泣く。
あまりの泣き振りに、姉が「交換してやる」と言うくらい。
でも、そうじゃない。
私のお豆腐ちゃんは、このこだけなのだよ。
姉にはとうてい解かるもんじゃあない。
お豆腐ちゃん、お豆腐ちゃん、私のお豆腐ちゃん。
たぶん、いや、きっと豆腐一丁で、あすこまで泣く女は私だけだろう・・・。
え???お豆腐ちゃんはどうしたって?????
いただきましたよ~ちゃんと、拾って残さずネ。
ふふふふふ・・・・・。